更新日付:2008/02/18

ITパスポート試験の概要

 ITパスポート試験は,平成21年度春期(4月)からペーパ方式で実施されるが,H23年度以降からはCBT方式として実施が予定されている。情報技術の広範な普及を受けて,業種・職種を問わず職業人として誰でもが共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識を測る試験として新たに創設された。
1.実施要項
試験時間 165分(2時間45分)
出題形式
多肢選択式(四肢択一)
・小問形式 :  1問の中に一つの設問がある試験問題。
・中問形式 :  1問の中に四つの設問がある試験問題。一つの状況設定に対し,複数の視点から知識・理解を問う。
出題数 全問100問
・小問形式:88問
・中問形式:12問(4設問/問を3問出題)
分野別出題数 出題範囲の三つの分野から,次を目安に出題
・ストラテジ系:35%程度
・マネジメント系:25%程度
・テクノロジ系:40%程度
配点 1,000点満点
合格基準 次の両方を満たした場合,合格とする。
・総合得点(分野別得点の合計):満点の60%以上
・分野別得点:三つの分野ごとに満点の30%以上
2.出題範囲(概要)
分類 大分類 中分類
ストラテジ系 1.企業と法務 1.企業活動
2.法務
2.経営戦略 3.経営戦略マネジメント
4.技術戦略マネジメント
5.ビジネスインダストリ
3.システム戦略 6.システム戦略
7.システム企画
マネジメント系 4.開発技術 8.システム開発技術
9.ソフトウェア開発管理技術
5.プロジェクトマネジメント 10.プロジェクトマネジメント
6.サービスマネジメント 11.サービスマネジメント
12.システム監査
テクノロジ系 7.基礎理論 13.基礎理論
14.アルゴリズムとプログラミング
8.コンピュータシステム 15.コンピュータ構成要素
16.システム構成要素
17.ソフトウェア
18.ハードウェア
9.技術要素 19.ヒューマンインタフェース
20.マルチメディア
21.データベース
22.ネットワーク
23.セキュリティ
 i   :  初級システムアドミニストレータ試験(以下,AD試験という)における午前の出題範囲に“基礎理論”と“アルゴリズムとプログラミング”が追加された。
 ii   :  AD試験における午後の出題範囲の業務理解力に関する問題は小問形式に分解して,ストラテジ系,マネジメント系の問題として出題される。
 iii   :  ストラテジ系の出題概要
 ・ 情報化と企業活動に関する分析を行うために必要な基礎的な用語・概念などの知識(一般的な新聞,書籍,雑誌などの最新用語を含む)。
 ・ 身近な業務を把握・分析して課題を解決する手法,データ分析及び問題解決へのオフィスの活用に関する基礎的な知識。
 iv   :  マネジメント系の出題概要
 ・ システム開発やプロジェクトマネジメントのプロセスに関する基礎的な用語・概念などの知識(専門性の高い具体的な用語・概念などの知識を問う内容での出題はない)。
 ・ コンピュータやネットワーク,オフィスツールなどを使って,業務環境の整備を考えるための基本的な知識。
 v   :  テクノロジ系の出題概要
 ・ 基礎的な用語・概念などの知識や,論理的な思考力を問う問題(技術的に専門性の高い内容での出題はない)。
 ・ 身近なシステムの安全な利用に関する基礎的な知識。
3.合格基準と公開
 i   :  “総合得点(分野別得点の合計)が満点(1,000点)の60%以上”,かつ,“分野(ストラテジ系,マネジメント系,テクノロジ系)別満点の30%以上”で合格となる。
 ii   :  ITパスポート試験の合格証書には,総合得点が記載される。
 iii   :  合否の判定,個人得点(1,000満点),分野別得点が個人に公開される。
 iv   :  採点方法は,素点方式(1問ごとに配点を与え,正解した問題の配点の合計)による方法であるが,試験を実施しながらデータを取得して分析を行い,準備が整った段階で統計的手法(項目応答理論:IRT理論)を導入する。従来の試験では,何問正解したかが重視されていたが,IRT理論では,「どの分野ごとの問題を何問正解したか」が重視される。受験者のレベルに応じて分野ごとの問題を変えて出題し,正答・誤答の状況から能力レベルを推定する手法である。